歯科医師からのメッセージ(妊娠9か月)

妊娠中のあなたへ
妊娠9か月(32~35週)
妊娠期の変化について
妊娠の影響で、お口の中に起こる変化について考えましょう。
歯科的には、むし歯が気になる人が多いのですが、それだけでなく歯グキや粘膜にも変化が起こりやすい時期でもあります。
妊娠中は女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増大し、それが唾液中にも起こることが分かっています。妊娠中のホルモンの増加は、妊娠から分娩までの過程の中で大切な役割を担っています。
他方、歯周病の原因となる細菌群は普通に存在しているのですが、女性ホルモンはその種の細菌の成長を促進することが分かっています。その結果、歯肉炎、エプーリス(歯グキにできる限局性の良性のデキモノ)、口内炎などが起こりやすくなります。
歯科的には、むし歯が気になる人が多いのですが、それだけでなく歯グキや粘膜にも変化が起こりやすい時期でもあります。
妊娠中は女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増大し、それが唾液中にも起こることが分かっています。妊娠中のホルモンの増加は、妊娠から分娩までの過程の中で大切な役割を担っています。
他方、歯周病の原因となる細菌群は普通に存在しているのですが、女性ホルモンはその種の細菌の成長を促進することが分かっています。その結果、歯肉炎、エプーリス(歯グキにできる限局性の良性のデキモノ)、口内炎などが起こりやすくなります。
(歯肉炎)
歯肉炎は、歯周病の軽度のものですが、症状の一つとして、歯グキにモノが触るとそこから出血するという人は少なくありません。東大阪市保健センターで実施していた「マタニティ・歯科健康相談」の受診者のうち約90%の人が、そのような状態になっていました。
妊娠期は、それまでになかった身体の変化が起こっているだけでなく、間食の回数が多くなったり、お口の中のセルフケアが大儀になったり、という生活習慣の変化も重なって、歯肉炎が起こりやすくなります。前者の身体の変化は受け入れるしかありませんが、間食の回数やケア方法については、工夫が可能です。
必要な栄養摂取量は確保するとして、間食も含めて食べる回数が余りに多くならないように気を付けることが、時間を掛けて働いてくれる唾液の力を活用することにつながります。
お口のセルフケアについては、歯と歯グキの境目に歯ブラシの毛先を置いて丁寧に掃除することが必要です。軽度の歯周病である歯肉炎では、このセルフケア方法で症状を改善することが出来ます。分かりにくい場合は、保健指導をしてくれる歯科医療機関で「妊婦歯科健診」を受診して尋ねてみましょう。
歯肉炎は、歯周病の軽度のものですが、症状の一つとして、歯グキにモノが触るとそこから出血するという人は少なくありません。東大阪市保健センターで実施していた「マタニティ・歯科健康相談」の受診者のうち約90%の人が、そのような状態になっていました。
妊娠期は、それまでになかった身体の変化が起こっているだけでなく、間食の回数が多くなったり、お口の中のセルフケアが大儀になったり、という生活習慣の変化も重なって、歯肉炎が起こりやすくなります。前者の身体の変化は受け入れるしかありませんが、間食の回数やケア方法については、工夫が可能です。
必要な栄養摂取量は確保するとして、間食も含めて食べる回数が余りに多くならないように気を付けることが、時間を掛けて働いてくれる唾液の力を活用することにつながります。
お口のセルフケアについては、歯と歯グキの境目に歯ブラシの毛先を置いて丁寧に掃除することが必要です。軽度の歯周病である歯肉炎では、このセルフケア方法で症状を改善することが出来ます。分かりにくい場合は、保健指導をしてくれる歯科医療機関で「妊婦歯科健診」を受診して尋ねてみましょう。
(エプーリス)
歯グキにできる限局性のデキモノで、妊娠女性の約1%の人に起こると言われています。これができても妊娠中は、歯と歯グキの境目をできるだけ清潔に保って様子を見ます。妊娠中に消えなかったとしても、出産後は女性ホルモン分泌の正常化とともに次第に消えていきます。
歯グキにできる限局性のデキモノで、妊娠女性の約1%の人に起こると言われています。これができても妊娠中は、歯と歯グキの境目をできるだけ清潔に保って様子を見ます。妊娠中に消えなかったとしても、出産後は女性ホルモン分泌の正常化とともに次第に消えていきます。

(口内炎)
妊娠期でなくても発症することがありますが、妊娠によって、起こりやすくなるようです。直接の原因は不明なものが多いのですが、お口の清掃不良や栄養の片寄りも影響すると言われています。
お口の中を常に清潔に保ち、皮膚や粘膜を守るビタミンB2(魚介類、豆類、チーズなどに多い)やビタミンB6(肉類、魚介類などに多い)を摂取することで、発症が少なくなる可能性があります。
(口臭)
人によって妊娠中に口臭が強くなる場合があります。
食物由来のものや内臓疾患由来のものを別にすれば、その人の唾液分泌量が減少したり、唾液の流動性が低下したりすることによって、口臭が強くなります。
唾液には、お口の中の種々の菌類の力を抑える働きがあるのですが、その分泌量が少なくなった時や流れが悪くなった時に、臭い物質を作る菌類を抑えられず、口臭が強くなります。妊娠期には、個人差はありますが、こうしたことが起こりやすいようです。しかし、そうであってもお口の中の菌類をノーマルなバランスの範囲内にしておくために、丁寧に歯の掃除をすることで対処が可能です。つまり、口臭対策にもブラッシングが有効なのです。
人によって妊娠中に口臭が強くなる場合があります。
食物由来のものや内臓疾患由来のものを別にすれば、その人の唾液分泌量が減少したり、唾液の流動性が低下したりすることによって、口臭が強くなります。
唾液には、お口の中の種々の菌類の力を抑える働きがあるのですが、その分泌量が少なくなった時や流れが悪くなった時に、臭い物質を作る菌類を抑えられず、口臭が強くなります。妊娠期には、個人差はありますが、こうしたことが起こりやすいようです。しかし、そうであってもお口の中の菌類をノーマルなバランスの範囲内にしておくために、丁寧に歯の掃除をすることで対処が可能です。つまり、口臭対策にもブラッシングが有効なのです。
赤ちゃん(胎児)の歯について
妊娠9か月頃には、胎児自身のアゴの中で、形はまだまだ未完成ですが、総ての乳歯の石灰化が進行中です。誕生後の歯の萌出(ほうしゅつ)に向けて、準備が行われつつある時期なのです。
歯科からみると、その歯の形成に必要なタンパク質、カルシウムを含むミネラル類、カルシウムの吸収を促すビタミンD(魚類に多い)を十分に摂取することが大切です。
歯科からみると、その歯の形成に必要なタンパク質、カルシウムを含むミネラル類、カルシウムの吸収を促すビタミンD(魚類に多い)を十分に摂取することが大切です。

お問い合わせ
東大阪市役所 健康部 保健所東保健センター 電話: 072(982)2603 ファクス: 072(986)2135
中保健センター 電話: 072(965)6411 ファクス: 072(966)6527
西保健センター 電話: 06(6788)0085 ファクス: 06(6788)2916
母子保健・感染症課 電話: 072(970)5820 ファクス: 072(970)5821