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東大阪市

あしあと

    市政だより 令和7年3月号 1・2・3・4面(テキスト版)

    • [公開日:2025年2月21日]
    • [更新日:2025年4月7日]
    • ID:41154

    特集 ヤングケアラーを知っていますか?

    Topic

    ご理解をお願いします 10月1日から水道料金を改定〈5面〉

    該当する方は申請を 児童手当・児童扶養手当〈6面〉

    前売りチケット販売中 いっしょに、いこな!大阪・関西万博〈9面〉

    市政だよりのタイトルには、東大阪フォントを使用しています。東大阪フォントは、企業同士のつながりや東大阪で生まれる部品がつながることでさまざまな製品となり、世界をつなげていることをイメージした、オリジナルのフォントです。

    ヤングケアラーを知っていますか?

    近年、社会的にも問題となっている「ヤングケアラー」。

    ヤングケアラーは、家事や家族の世話をすることを当たり前として生活をしています。子どもたちが安心して成長できる環境を整えるためには、周囲の協力が不可欠です。

    今回の市政だよりでは、ヤングケアラーについて考えます。

    問合せ先
    子ども見守り相談センター子ども相談課 06(4309)3197、ファクス 06(4309)3818

    ヤングケアラーとは

    ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども・若者のことで、家庭内での責任が重く、年齢や成長に見合わない役割を果たすことがあります。

    ヤングケアラーには、これまで法律上の定義はありませんでしたが、令和6年6月の子ども・若者育成支援推進法の一部改正において家族の介護その他日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者が、国・地方自治体において支援に努めるべき対象としてヤングケアラーが法律に明記されました。

    令和6年度 府立高校における日常生活アンケート調査結果概要

    府立高校におけるヤングケアラーの状況

    回答者約9万人のうち、世話をしている家族がいると回答した生徒の割合
    いる
    11.0パーセント(府立高校に通う回答した高校生の約9人に1人)
    いない
    85.2パーセント
    無回答
    3.8パーセント
    世話をしている家族がいると回答した生徒のうち、そのことについて相談した経験
    ある
    10.9パーセント
    ない
    75.7パーセント
    その他・無回答
    13.4パーセント
    世話の頻度
    ほぼ毎日
    3,613人(36.7パーセント)
    週に3~5日
    1,991人(20.2パーセント)
    週に1~2日
    2,189人(22.2パーセント)
    1か月に数回
    1,342人(13.6パーセント)
    その他・無回答
    707人(7.1パーセント)
    世話に費やす時間
    7時間以上
    131人(1.3パーセント)
    3~7時間未満
    507人(5.2パーセント)
    3時間未満
    8,199人(83.3パーセント)
    無回答
    1,005人(10.2パーセント)

    出典:大阪府「ヤングケアラーについて」ウェブサイト

    ヤングケアラーの背景と影響

    現代の社会では、家族形態の多様化や格差社会などの社会変動の中でヤングケアラーが増えています。その要因は、核家族化、ひとり親世帯の増加、地域や人のつながりの希薄化、経済的・貧困問題、家族の病気や障害、高齢化社会などさまざまです。

    子どもたちが年齢に見合わない責任や負担を負うことで、学校生活、友人関係、進学や就職、健康面に影響がおよぶこともあります。

    声をきく~私たちにできること

    悩んでいる子どもたちに私たちができることは何でしょうか。

    実際にケアを行う苦労や気持ち、また社会的な課題や支援についてお話を伺いました。

    自分自身の気持ちを大切に

    八木 尚美さん

    16歳から母親が入退院を繰り返し、弟の母親代わりになり家族のケアを行ってきた。

    現在は、ヤングケアラー・その家族の方たち専門のカウンセリング「カウンセリングルーム あしたの」にてケアの経験を踏まえ、ヤングケアラーとその家族をサポートしている。

    私にとってケアは日常でした

    私の幼いころの記憶は、弟の通院の付き添いで病院の待合室で待っている記憶です。

    私の弟は難病疾患を抱えている障害者で、幼いころから母親に連れられ病院に行くのが日常でした。当時は当たり前だと思っていましたが、中学・高校生と年齢を重ねるにつれて、周りの友達と自分の生活の違いなどを感じる機会が増えていきました。

    私が16歳になったころ母が入退院を繰り返し、私が弟の母親代わりとなり、母と弟のケアが始まりました。当時は母の弱音を聞くのもつらく、私自身も身体的な不調が出ることもありました。

    また、家族のケアを優先するため、勤務条件を考えた就職活動を行いました。なかなか希望する条件で就職先が決まらず苦労しましたし、周りの友人の就職が決まるたびに、うらやましく思っていたことを今でも覚えています。

    22歳のときに母が亡くなった後も、弟の母親代わりとして弟のサポートをしています。

    私を見てほしかったし、ケアラーではない自分でいられる居場所がほしかった

    周りの大人からは、お姉ちゃんだからしっかりしなさいと言われていました。そういった言葉を聞くたびに、私は“ケアをするためだけの存在”であるような気がしました。自分自身の存在価値がわからなくなったこともあります。ケアラーとしてではなく、私自身を見てもらいたかったですし、現在も私自身を見てほしいという気持ちがあります。自分自身のことを話せる、雑談ができる、家じゃない居場所がほしかったです。

    どんな感情でも否定しないで

    ケアのあり方は多様で、ケアとの向きあい方も人それぞれでいいと思います。家事や家族の世話など自分で関わりたいと思っている人でも、後ろ向きな感情をもつこともあるでしょう。

    家族だからケアをして当たり前と思うかもしれませんが、そうではありません。家族のことだから苦しいし、家族から離れたいという気持ちと罪悪感の板挟みになることだってあります。

    いろいろな感情があると思いますが、どんな気持ちがあってもいいと思うんです。それが当たり前です。

    自分自身の気持ちを大切にしてほしいです。

    ケアラーがケアの話をすることはとてもしんどいことです。周りの人はヤングケアラーと決めつけないで、その子自身の気持ちや思いを聞いてあげてほしいなと思います。

    自分の人生を歩める社会に

    立命館大学 産業社会学部教授 斎藤 真緒さん

    子ども・若者ケアラーへの支援について、ケアラー本人の立場から意見や具体的な活動を提案・発信していく活動をしている「子ども・若者ケアラーの声を届けようプロジェクト」の発起人。

    東大阪市内でもヤングケアラーについての研修会などで講演を行ってきた。

    ヤングケアラーの問題

    ケアに関する問題は昔からありましたが、ヤングケアラーという言葉ができたことで、より子どもたちの状況や課題がはっきりしたと思います。

    ヤングケアラーが問題になってきた背景にはさまざまな要因がありますが、少子高齢化が進みケアニーズが増加したことがあげられ、実際に子どもたちが家のことやケアを担う状況が増えてきています。

    近年、子どもたちの権利が保障されつつありますが、ヤングケアラーたちには守られるべき権利が保障されていない現状があるのではないでしょうか。

    大人も子どももケアは家族が行うものと思っている

    ケアは家族が行うものという認識が社会全体に根強くあるため、ケアラーたちも家族のことだから仕方がないと思っている現状があります。ケアラーたち自身が自分の人生を生きてもいいと思える社会にしていく必要があると思っています。

    ケアが理由で人生をあきらめるのは残念なこと

    どの世代の人でもケアに関わる可能性があります。

    幼いころから家族のケアに関わる場合もあれば、学生になってから親や祖父母のケアが始まることも考えられます。ケアを行うことは悪いことではないですが、ケアが理由で自分の望む人生や日々の暮らしが送れないなど自分自身のことをあきらめてしまうのはとても残念なことです。ケアラーが、ケアをしていても自分自身の人生を生きられる社会にするために、いろいろな人たちが自分ごととして考えてほしいです。

    地域のなかのつながりが大切

    だれもがケアラーになる時代です。社会の仕組みを充実させることも必要ですが、いざというとき遠くにいる家族だけでなく、生活圏内で支えあえる関係、ケアを通じて地域のなかでつながり、支えあうことが何より大切だと感じます。

    日頃から身近に暮らす人たちに声掛けをしたり、ごみ出しのときに挨拶をしたりして、フラットな関係をつくっておくことで、地域の人々とのつながりが構築されるのではないでしょうか。

    ケアラーではない、自分でいられる居場所で自分の想いや気持ちを

    ケアラーたちは常にどこかでケアのことを考えてしまっています。

    ケア自体を取り除くことは難しいケースが多いですが、ケアラー自身が自分のために時間や労力をかけられるように、私たち周りの大人がサポートをすることが大切だと思います。

    しかし、ヤングケアラーと周りが決めつけてしまってもいけません。ケアラーだと思われたくない、家族のことを話したくない、自分自身がケアラーだと思っていないなど、ケアラーはさまざまな想いや気持ちをもっています。ケアラーとして話を聴くのではなく、“何をがんばりたいか”“夢は何か”など、その子自身の気持ちを聴くことが重要です。自分らしく生きていこうと考えることは、時間も労力も必要になります。ケアラーにはケアラーではない自分でいられる場所や伴走してくれる人が必要です。

    子どもたちの居場所~つながりがちからに

    私たちの周りで、子どもたちが安心して生活できる環境を整え、子どもたちやその家族を支援するために、活動している人たちがいます。

    子ども食堂 imaco 代表 大塚 香里さん

    イマコを始めた10年ほど前は子どもたちが気軽に集まれるような場所がなく、子どもの居場所があれば良いなと思い子ども食堂を始めました。

    学校や家庭で嫌なことがあっても、子どもたちが気軽に立ち寄ってもらえる居場所にしていきたいと思っています。また、地域の方や学校とも連携していければと考えています。

    子ども食堂は学校や学年も関係なく誰でも自由に参加できる第3の居場所です。いつでも気軽に来てください。

    市内子ども食堂一覧

    株式会社 トライグループ(市学習を伴う子どもの居場所づくり支援事業委託) 余部 和弘さん
    若宮森の子こども園 園長 山本 敬子さん

    子どもたちには宿題などを持参してもらい、学習支援としてサポートしていますが、いきなり勉強に向かうというわけではなく、コミュニケーションをとり、一人ひとりに寄り添いながら学習を進めていけるように心がけています。

    また、講師や友達といっしょに遊んだり、話をしたりするのを楽しみに来てくれる子どもたちもいます。

    目的がなくても「何かやってみたいな」「誰かに話してみたいな」と思ったら、一度利用してもらいたいと思います。

    “学習”という側面はもちろんのこと、その子自身のこともいっしょに考えていきます。この事業を通じて子どもたちの可能性が広がれば嬉しいです。

    市内学習支援実施場所一覧

    市教育委員会 スクールソーシャルワーカー 川野 辰通さん

    スクールソーシャルワーカーは、子どもや保護者が生活のなかで抱えている、さまざまな悩みごと困りごとについていっしょに考えます。学校のことだけでなく家庭のことなど、どんなことでも構いません。「何か話したいな」と思ったときに頼ってもらえればと思います。子どもたちのことを第一に考え、いっしょに伴走し、問題を解決できるようにサポートします。

    子どもたちが自分自身の可能性を信じられるように、みんなで子どもたちを応援していきたいです。

    悩みや困りごとがあれば相談を

    つらくなったときや困ったとき、話したいなど思ったときに誰かに話してみませんか。

    市では、ヤングケアラーやその家族を支えるため、福祉や医療、教育などさまざまな分野で支援をしています。

    「家事や家族の世話で大変」「家の用事で学校に遅刻、休むことが多い」「勉強する時間がとれない」などの悩みや困りごと、「あの子はヤングケアラーかもしれない」などの気づきがあれば、子ども見守り相談センター子ども相談課へ気軽にご相談ください。

    子育て世帯訪問支援事業

    ヤングケアラー支援の一環として「子育て世帯訪問支援事業」を実施しています。ヤングケアラーの負担軽減を目的にヤングケアラーの家庭などに訪問支援員を派遣し、家事や育児支援を実施します。

    支援内容
    • 家事支援=食事の準備・後片付け、洗濯、掃除、買い物など
    • 育児支援=児童の世話・見守り、保育所への送迎など

    詳しくは、子ども見守り相談センター子ども相談課にお問合せください。

    相談窓口

    東大阪市子どもすこやか部子ども見守り相談センター子ども相談課

    06(4309)3197、ファクス 06(4309)3818

    月曜日~金曜日9時~17時30分(祝休日は除く)

    〒577-8521 東大阪市荒本北1-1-1 市役所本庁舎7階

    国の相談機関 ※いずれも通話無料。

    児童相談所相談専用ダイヤル
    0120-189-783(24時間365日)
    育児、里親、ヤングケアラーなど子どもの福祉に関するさまざまな相談
    24時間子供SOSダイヤル
    0120-0-78310(24時間365日)
    いじめやその他の子どものSOS全般
    こどもの人権110番
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    東大阪市市長公室広報広聴室 広報課

    電話: 06(4309)3102

    ファクス: 06(4309)3822

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